番重に移し替えなし、おいしさを保って衛生的に 「液もの」の冷却時間を大幅短縮、歩留(ぶど)まりアップ

中食需要に対応する「スープ冷却機」を菱熱工業が発売

空調衛生設備等のエンジニアリング・コンサルティング・設計・製造などを行う菱熱工業株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役社長:近藤貢)は、つゆやカレー、たれ、ドレッシング、パスタソースといった「液もの」のうまみや風味を損なわず冷却時間を大幅に短縮する「スープ冷却機」を6月より本格発売を開始しました。液ものの歩留まり率(*1)が平均96%にアップ。生産性の向上や省人化とともに、菌の繁殖防止など衛生管理にも寄与します。
(*1)歩留まり率・・製造・生産において、投入した原料などの量から期待される生産量(生産数)に対する、実際の出荷可能な生産量の割合。

液ものの冷却にあたっては、加熱調理した後、番重に移し替えて冷却機まで運ぶ必要がありました。100℃近い液ものを入れた番重を幾つも積み重ねて運搬する作業は重労働で、火傷など労災の危険と隣り合わせでした。スープ冷却機なら寸胴のまま運んでセットするので、移し替え作業が削減でき、労災リスクも減らせます
(302) 【ryonetsuニュース】スープ冷却機 – YouTube
 

スープ冷却機スープ冷却機

■発売の経緯
スープ冷却機の母体は、大手コンビニの依頼で開発した製品です。このコンビニ系列の食品工場へ約60台を納入しており、性能には高い評価を得ています。今回、コロナ禍にあって弁当や総菜といった中食の需要が高まっていることに対応し、一般販売することを決めました。たとえば、スーパーのプロセスセンター、中食向けの食品工場、介護系の給食センターなどでの利用を想定しています。
標準品のメーカー希望価格は1台800万円(税別)。

注記:冷却速度は、冷水温により変わる

■本製品の特長
液ものが入った寸胴をスープ冷却機にセットしてスイッチを入れると、寸胴の中に筒状の熱交換器が降ります。冷水チラーから送られる冷水が熱交換器を冷やします。熱交換器の周囲に配置したスクレーパー(※2)が回転して、液ものの撹拌と熱交換器に付着した製品のカキトリを行い、寸胴内の製品温のムラを小さくします。品温センサーで目標温度になるまで管理します。寸胴を入れ替えれば連続調理も可能です。
(*2)工業分野で用いられるへら状の刃に柄を付けた工具の総称

100ℓの液ものを90℃から10℃に冷やす場合、サラサラスープなら20分程度です。冷蔵庫に比べて回転率は5倍になり、消費電力は15%減ります。粘度があって冷えにくいカレーでも1時間以内と、差圧冷却機の半分以下の時間で済みます。

■スープ冷却時間の比較

■スープ冷却機による作業の流れ

■冷却の仕組み

注記:冷水チラー、冷水用循環配管、ポンプ等は別途

番重と寸胴への移し替え作業比較

<会社概要>
■会社名:菱熱工業株式会社
■住所 :東京都大田区南馬込2-29-17
TEL:03-3778-2111 FAX:03-3778-2100
■創  業:1948年7月21日
■設立:1966年2月9日
■資本金:1億円
■売上高 : 96億円(2020年3月期・連結)
■代表取締役社長:近藤 貢
■従業員:110名(2020年3月)
■事業内容:冷熱エンジニアリング総合企業
冷熱プラント、冷熱機械、環境装置、冷凍冷蔵、
空調衛生設備のエンジニアリング、コンサルティング、
設計、製造、施工、メンテナンス
■URL:http://www.ryonetsu.com/

<本件に関するお問い合わせは>
菱熱工業株式会社 /菅原・西川
TEL:03-3778-2112  FAX:03-3778-2113