~スタッフの定着率向上と、持続可能な介護サービスの提供を目指して~
株式会社三菱総合研究所が平成30年度に実施した「介護現場におけるハラスメントに関する調査研究事業」実態調査による(※1)と、調査対象である2,155件の介護事業所のうち半数以上が、この1年間以内に「ハラスメントの発生を把握している」と回答しました。さらに、入居者様やご家族からハラスメントを受けたことにより、けがや病気になった介護スタッフはおよそ2割、仕事を辞めたいと思ったことのある介護スタッフは最大4割となっています。
こうした調査結果からも、介護スタッフをハラスメントから守る仕組みを作ることは、介護スタッフの定着率向上に直結する打ち手であると期待できます。
本制度を通じて、スタッフがしあわせに働き定着することのできる職場環境づくりと、サービスの偏りを無くすことによる持続可能な介護サービスの実現を目指してまいります。
※1:厚生労働省ホームページ「介護現場におけるハラスメントに関する調査研究報告書/https://www.mhlw.go.jp/content/12305000/000532738.pdf」(2021年4月26日)
【介護業界全体におけるハラスメント常態化】
介護現場におけるハラスメント事例として、なぐる・つねるなどの身体的暴力、威圧的な態度で暴言を吐かれる精神的暴力、セクシャルハラスメントなどが挙げられます。業界全体として、これらのハラスメントの存在は当然であるという認識が常態化しており、メグラスとしてもハラスメントに対する打ち手は長らく大きな課題でした。
しかし、入居者様やご家族からの過度なハラスメントにより、苦しい思いをし、退職せざるを得ないスタッフが続いたことを契機に、2021年1月、当社介護施設で働くスタッフが中心となり、スタッフプロテクションプロジェクトが立ち上がりました。
本プロジェクトでは、以下の考えに沿って、プロジェクトメンバーによる実態調査や議論を重ね、2021年4月にスタッフプロテクション制度が完成いたしました。
- 特定の入居者様に過剰なサービスを行えばバランスが偏り、当社の介護サービス全体の品質低下を招くことに繋がる。
- スタッフ保護と入居者様に対する介護サービスの安定供給の両方を実現させるために、入居者様やそのご家族からの言動を決められた基準に基づいて分類し、場合に応じた対処フローを確立・周知することが必要である。
【スタッフプロテクション制度の概要】
本制度では、入居者様やそのご家族から介護スタッフに対する言動について「青:正当なご指摘」「黄:過剰なご要望」「赤:ハラスメント」の三段階に分類する基準を設けております。青であれば当社側に否があると真摯に受け止め改善する必要があり、黃・赤であれば当社で働く介護スタッフを守るために適切な対処を行う必要があると考えます。
※以下、基準マニュアル(一部抜粋)を参照
黃・赤の事案が発生した場合、当事者であるスタッフが社内に設けられたホットラインに声を上げ、それを受けた関係者(介護現場に立ち会う介護スタッフ、ご家族とやり取りをする営業相談員など)が連携し速やかな事実確認〜対応を行います。
本制度のリリース後、2021年4月1日〜15日までの間、黄の事案1件・赤の事案1件の発生が報告され、フロー通りの対処をただちに進めることができました。
【今後期待されること】
本制度の導入を通して、スタッフが安心して働き、定着することのできる職場づくりを目指してまいります。また、スタッフがしあわせに働くことのできる環境を整えることで、介護サービスの更なる品質向上に努めてまいりたいと思います。
【出典】PR TIMES
【参考URL】https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000078454.html