手によるフットマッサージ、機械より心の安定と活力感の増加について

主観的なアンケート調査ではない!客観的指標に基づく脳波活動評価で確認

一般社団法人日本介護美容セラピスト協会(代表理事:谷都美子/大阪市福島区)は、

6月23日~24日、第31回日本健康心理学会 第20回日本ヒューマン・ケア心理学会学術集会合同大会にて、
「フットマッサージが健常成人女性の心身機能に及ぼす効果の検証」と題し、脳波計測にて、機械によるマッサージよりも人の手によるマッサージの方が心の安らぎや安定を得られたと発表しました。
また、マッサージ中の心の安定だけではなく、マッサージ後の活力感ややる気を創出する脳部位の活動を上昇させる効果も認められました。
今までのフットマッサージ効果に関する検証は、浮腫(むくみ)の軽減などの身体的な効果や、アンケート調査などによる主観的な意識下の評価がほとんどで、客観的な指標に基づく無意識下での情動の変化を脳機能活動として評価した先行研究は少なく、先進的な研究です。

なお、この研究は、京都橘大学健康科学部と合同で行いました。

評価方法
対象者:整形外科的及び神経学的異常のない成人女性20名。
ビューティタッチセラピスト

※1によってマッサージを施行する群10名と、市販のマッサージ機にて施行する群10名に振り分け。
※1 日本介護美容セラピスト協会の認定を受けた、介護美容に関わる知識やマッサージの技術を習得したセラピスト。
測定項目:身体評価として下肢容積量の測定。心理評価として、アンケートと生理的評価として、脳波解析。
脳波解析は、マッサ―ジ試行中と、施行前後の安定時の脳機能活動について分析、比較検討。■結果
1、下肢容積量の測定において、手の群と機械の群ともに施行前より施行後に下肢容積量が軽減し、むくみが軽減しました。
2、アンケートによる調査の比較において、気持ちよさ、痛み、スッキリ感において手の群が機械の群よりも得点が高くなりました。
3、マッサージ試行中の脳活動では、心の安定状態を反映するα波帯域において、機械の群に比べ手の群の方が、特にリラックス状態を反映する楔前部(けつぜんぶ)の神経活動が高くなりました。
4、マッサージ施行後の安静状態では、感じていることを反映するβ波帯域において、手の群の方が、機械の群よりも喜びや意欲の意識をつくる内側前頭前野や前帯状回の神経活動が活発でした。

手によるマッサージ中 楔前部が活性化している様子手によるマッサージ中 楔前部が活性化している様子

手によるマッサージ後、内側前頭前野・前帯状回が活性化している様子手によるマッサージ後、内側前頭前野・前帯状回が活性化している様子

■考察と今後の展望
フットマッサージの手と機械による施行において、浮腫などの身体的機能の軽減についてはともに効果が認められましたが、心理的側面においては、機械よりも手によるマッサージの方が、リラックス効果が高いことが認められました。また、施行後は機械よりも手によるマッサージの方が、活力感を感じていることから、機械のマッサージよりも手のマッサージの効果が喜びや、意欲に繋がっていることが推察できます。
今後、フットマッサージだけでなく、ハンドマッサージにおける心的効果の測定などの研究などにも取り組み、介護美容の現場に生かして行きたいと考えます。

機械でのマッサージ中の被験者機械でのマッサージ中の被験者

セラピストの手のマッサージ中の被験者セラピストの手のマッサージ中の被験者

発表内容
タイトル:フットマッサージが健常成人女性の心身機能に及ぼす効果の検証 
発表者:京都橘大学 坂本昌志・植田智裕・中野英樹・兒玉隆之・村田伸
一般社団法人日本介護美容セラピスト協会 森郁子・谷都美子

出典】PR TIMES
【参考URL】https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000025614.html