【調査リリース】シニア女性に聞いた「年金とお金の使い方に関する意識調査」国民年金受給開始の平均年齢は63.1歳

公的年金受給前は、受給後と比較して老後のお金に対する心配度が16.3ポイント高い。年金収入のみの単身世帯は平均6万139円/月の赤字

株式会社ハルメク

販売部数30.5万部を誇る女性誌部数No.1(※1)の「ハルメク」を発行する株式会社ハルメク(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:宮澤孝夫)生きかた上手研究所は、55~79歳の女性839名を対象に「年金とお金の使い方に関する意識調査」を郵送アンケートにて実施いたしました。
(※1)日本ABC協会発行社レポート30.5万部(2019年7月~12月)
【 調査サマリ 】
■公的年金受給中の世帯は全体の8割。公的年金受給開始の平均年齢は、国民年金・厚生年金ともに65歳未満の結果に。
⇒公的年金を自分自身が受給しているシニア女性623名が国民年金を受給し始めた平均年齢は63.1歳であり、通常65歳である受給開始年齢を繰りあげている人が少なくないことが分かる。なお、厚生年金受給開始年齢は61.8歳であり、これは受給開始年齢引き上げの移行期間中に受給した人が多いためと考えられる。

■公的年金受給前の世帯は受給中の世帯と比べ、老後のお金に対して「心配している」割合が16.3ポイント高い。老後のお金で心配な項目では、介護費や医療費など日常生活における出費が上位に。
⇒老後のお金に対して「心配している」割合は、公的年金受給中世帯では12.5%なのに対し、公的年金受給前の世帯では28.8%と16.3ポイント高い。

■年金収入のみの世帯のうち、2人以上世帯の家計では収支が320円/月の黒字。
一方、1人世帯の家計では平均6万139円/月の赤字。
老後のお金の不安要素は、1人世帯、2人世帯に共通して病気、介護費用の負担増加。

⇒年金収入のみの2人以上世帯では、夫の介護・医療費や、夫が亡くなった後の生活を不安視する声もみられた。

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【調査結果】
公的年金受給中の世帯は全体の8割
公的年金受給開始の平均年齢は、国民年金・厚生年金ともに65歳未満の結果に

・調査対象であるシニア女性のうち、自分か夫のうち1人でも公的年金を受給しているのは678名(80.8%)で、約8割が公的年金を受給していると回答。
・公的年金を自分自身が受給しているシニア女性623名が国民年金を受給し始めた平均年齢は63.1歳であり、通常65歳である受給開始年齢を繰りあげている人が少なくないことが分かる。
・厚生年金受給開始年齢は61.8歳であり、これは受給開始年齢引き上げの移行期間中に受給した人が多いためと考えられる。

 

 

 

 

公的年金受給前の世帯は受給中の世帯と比べ、老後のお金に対して「心配している」割合が16.3ポイント高い
介護費や医療費など日常生活における出費が上位に

・老後のお金に対して「心配している」割合は、公的年金受給中世帯では12.5%なのに対し、公的年金受給前の世帯では28.8%と16.3ポイント高い。
・老後のお金について「心配している」と回答した人に、「老後のお金について具体的に心配なこと」をたずねたところ、「介護費(78.1%)」が第一位となった。医療費や生活費などの日々かかる出費を気に掛ける人が多く、そのほかには夫の年金収入に対する不安や、年齢を考慮した家のリフォーム代金など大きなお金の変動に「心配」と回答する人が多いことが分かった。 

 

年金収入のみの世帯のうち、2人以上世帯の家計では収支が320円/月の黒字
一方、1人世帯の家計では平均6万139円/月の赤字
老後のお金の不安要素は、1人世帯、2人世帯に共通して病気、介護費用の負担増加

・ 公的年金受給世帯のうち、収入が年金のみの92世帯について月当たりの収支を算出したところ、2人以上世帯では平均収支が320円の黒字だが、1人世帯では平均6万139円の赤字。
・ 年金収入のみ世帯の「老後のお金について不安に感じていること」で、1人世帯、2人以上世帯に共通しているのは、病気、介護費用の負担増加。2人以上世帯では、夫の介護・医療費や、夫が亡くなった後の生活を不安視する声もみられた。

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【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)

2016年3月から現職。主に年間約1,000人の50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを実施

平均63.1歳から受給を開始。「年金世代」を取り囲む環境は不安でいっぱいだから。

今回、ハルメクで行った読者調査は、年金世代のあらゆる不安を浮き彫りにしました。
年金受給前の人は「年金だけで生活レベルを維持できるのか?」という“長生きリスクに伴う先行き不安”や“貯金を切り崩して生活していくことへの不安”、「病気や介護でどのくらいの費用が掛かるのか分からない」という“万が一健康を損なったときの必要経費に対する不安”を抱えていました。
一方、受給中の人から聞かれた不安は「どこまで切り詰めたらいいのか?」と“我慢したり節約したりする匙加減が読めないことへの不安”、「夫に先立たれたら遺族年金だけで生活できないのでは?」という“一人になることへのぼっち不安”などです。「社会や制度もコロコロ変わる」という“政治や行政に対する不信”も挙がりました。

今回の調査で、国民年金の受給開始年齢を通常の65歳より繰り上げている実態が明らかになりましたが、「もらえるものは貰えるうちに」というマインドが働いたのでしょう。多くの不安や不信が焦りにつながった結果と読むことができます。
また、貯金が潤沢にある人でも「相続税はいくらかかるか?」という“遺族に対する心配”をしていました。お金にまつわる不安は尽きず、備えていても不安なのです。
一概に「年金世代の不安」といっても一括りに語ることが難しいということです。
ハルメク11月号では、年金家計を7タイプに分け、各々の特徴にあわせて解決策を解説しています。本誌が家計を見直すきっかけになり、自分にあった方法を見いだせ、安心した老後につながったらいいなと願います。

■女性誌部数No.1! 50代からの生きかた・暮らしかた応援雑誌「ハルメク」
1996年に50代からの生きかた・暮らしかた応援雑誌「いきいき」として創刊。20周年を迎えた
2016年5月号から、誌名を「ハルメク」にリニューアルしました。
50代からの女性が前向きに明るく生きるための価値ある情報をお届けしています。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど、幅広い情報が満載です。
2018年には公式WEBサイト「ハルメクWEB」もオープン。健康で美しく、アクティブなセカンドライフを応援するコンテンツを毎日発信しています。

誌面情報
ハルメク11月号(10月10日発売)では、「年金生活を楽しく賢く暮らす節約アイデア」特集です。
このプレスリリースでもご紹介した郵送アンケートの結果から、ハルメク世代の年金家計を7タイプに分け、各タイプ別に「お金の使い方・守り方のコツ」をご紹介しています。

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【調査背景】
女性誌部数No.1の「ハルメク」は、長年シニアのインサイトについて調査・分析を行ってまいりました。消費税増税や新型コロナウイルスの感染拡大によって、時代の先がさらに見えにくくなっています。一方、厚生労働省「令和元年簡易生命表」によれば、2018年現在の我が国の平均寿命は、男性が81.25歳、女性が87.32歳と延伸を続けており、老後のお金に対する不安が高まっています。こうした中、生きかた上手研究所では、シニア女性の年金生活の実態と老後のお金に対する不安を把握すべく「年金とお金の使い方に関する意識調査」を実施しました。
※調査主体の「(株)ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
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【調査概要】
調査の方法:郵送アンケート
調査の対象:55~79歳の女性
有効回答数:839名
調査実施日:2020年6月24日~8月2日
調査主体:(株)ハルメクホールディングス 生きかた上手研究所
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。